向日葵の丘 1983年夏
東京で売れないシナリオライターをしている多香子の元に故郷で暮らす高校時代のクラスメートみどりから30年ぶりに連絡が届く。「病気であと数か月の命」との内容に驚いた多香子はもう1人のクラスメート、アメリカ人と結婚したエリカに相談するが、相手にされず。悩んだ末に30年ぶりの帰郷を決意する。高校時代に起きた悲しい出来事を今もひきずっており、一度も帰郷していなかった故郷に向かう多香子の胸を通り過ぎるのは、あの頃の思い出。地元の名画座に3人で行き、ミュージカル映画を毎週観ていた。学校の帰りはいつも鯛焼き屋でおしゃべり。片思いの先輩もいて懐かしさが蘇る。だが、30年ぶりに帰った故郷で待っていたのは「悲しい現実」と「別離」だった……。